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サイコ・ゴアマンのShinMakitaのレビュー・感想・評価

サイコ・ゴアマン(2020年製作の映画)
2.4
…遠い宇宙の彼方で殺戮と暴虐の限りを尽くした極悪宇宙人が、正義の執行者〈テンプル騎士団〉に封印され、平和が訪れたが…

とある郊外の家で仲良く(?)遊ぶ兄妹がいた。妹は、毒舌系暴力少女ミミ。兄はミミの言いなりになっているおっとりした性格のルーク。2人は庭を掘り返した際に、石板にはまった不思議な赤い宝石を発見する。実はこの宝石は、件の極悪宇宙人のエネルギーの源。ミミは石板からその宝石を取り外してしまい、おかげで庭の深い土の下に眠っていた極悪宇宙人が目覚めてしまう。極悪宇宙人は深夜に徘徊し、巡り会った強盗を血祭りにあげると、翌朝現れたミミとルークも虐殺しようとする。しかし、彼はミミに手を出すことができない。宝石を手にした者の命令に素直に従わなくてはならないカラダなのだ。これに気づいたミミは、「最強のお友だち」を手にしたことで有頂天。彼をサイコゴアマンと名付け、遊び相手にするのだが…


「サイコ・ゴアマン」

以下、名前はサイコネタバレ。略してPN。


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良くできた東映特撮のような着ぐるみにチープなアクションとVFX。まずはこのB級感を味わいつつ、史上最狂で史上最凶な少女ミミちゃんの魅力にハマったら、もはや今年ベスト級の逸品になってしまいます。宇宙を破壊しうる超極悪のヴィランが何故地球の一軒家の庭に埋まってたのかの説明は無し。愛の力を得たゴアマンが何故巨大化してるのかの説明も無し。謎スポーツ〈クレイジーボール〉のルールも意味不明なら、デタラメなモールス信号も意味不明。元に戻れないアラスターや異形にされちゃった警察官が不憫ではあるものの、ミミちゃんが笑顔ならオールオッケーなのである。はっきり言って最低な映画ですが、ニヤニヤが止まらない愉快な一本。

くだらなくて支離滅裂なストーリーの中に、ちらりと見える「正義の危うさ」と「エゴイズム」に対する批判。テンプル騎士団のパンドラをアメリカ、ゴアマンをイスラム原理主義者と置き換えて観るのもアリかなぁと。オススメです!
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