にく

5月の花嫁学校のにくのレビュー・感想・評価

5月の花嫁学校(2020年製作の映画)
2.7
M・プロヴォ『5月の花嫁学校』(20)。終盤のシャマラン級に唐突な展開と最後まで若者へ道を譲らない(カメラを独占する)J・ビノシュに爆(失)笑。そう、結局、原題の〝La bonne épouse(良妻)〟とは、少女たちではなく、大女優のことなのだ。若い血潮そっちのけで描かれるビノシュの老いらくの恋。
 商業映画にあって老年の女優が運動の主体と化すこと自体は寿ぎたい。しかし舞台となったアルザスの複雑な歴史や花嫁学校の生徒たちの家庭環境が殆ど顧みられず通り一遍の風景しか差出されないとき、それは女優のエゴとしか映らない。『新学期・操行ゼロ』を偲ばせる不穏さが一瞬顔を出しただけに残念。

昨日、たまたま67年のアルザスを舞台とする新作『5月の花嫁学校』と大島の『戦場のメリークリスマス』リバイバル上映を梯子して、アルザスかつ俘虜収容所での敵同士の友愛といえば『大いなる幻影』があったと思い至る。『5月〜』のユダヤ系フランス人と『戦場〜』の朝鮮系軍属の境遇も重なって見えた。