緑

ネクタイを締めた百姓一揆の緑のネタバレレビュー・内容・結末

ネクタイを締めた百姓一揆(2017年製作の映画)
1.5

このレビューはネタバレを含みます

20分くらい経ったろうかと思ったら5分、
60分は経ったろうと思ったら15分と
時間の進みの歪みっぷりは
学生時代のつまらない授業中のよう。

出演者は素人ばかりで動きも台詞も必然的に素人仕事、
昭和40年代には出尽くしているような演出の古臭さ、
カメラワークは単調、
編集はぶった切り、
音響バランスも悪い。
タイトル回収シーンもくどい。
正直に言って学芸会レベル。

出来事のみを時系列で描いて鑑賞に耐えうる長尺にできるのは
役者たちが相当な演技巧者であるときのみでしょう。
まともに芝居できない出演者しかいないのであれば、
映画を撮り始めるまでに
もっと芝居や滑舌の訓練が必要だったし、
もっと出演者をフォローするための
脚本やカメラや編集が必要だったのに
そういった工夫が見当たらなかった。
仲間内の思い出作りならこれでもいいかもしれないが、
商業作品としては不満と疑問しか残らない。

市民会議の人たちが新幹線を誘致したい理由が
「未来」だの「発展」だの抽象的な物言いばかりで、
具体的な必要性や他候補地と比較しての優位性などは
全然出てこない。
精神論、感情論に終始していて大人の仕事に思えない。
全市長の「やるだけやった」についても一切の検証なく、
どう動いてどう失敗したかには触れられない。
なので、149分もかけて14年間のことを描いているというのに、
大変でした、頑張りました、
報われました、よかったです。以上。
どうなの、これ。

低予算なのはわかるがディテールもいちいち甘く、
その中でも一番引っかかったのが
昭和60年設定での新花巻駅でのロケで
現在のホームドアがガッツリ映っていたこと。

おもしろいテーマを過剰な熱意と足りない技術で
潰してしまったように思えてならない。
緑