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100日間生きたワニのKのレビュー・感想・評価

100日間生きたワニ(2021年製作の映画)
3.0
100日間と言われると、生後100日で起きた出来事のように聞こえる。どこを起点とした100日なのか。上半身ハダカのままのワニ。なぜ彼だけ上の服を着ていないのだろう。ときどき何の生き物か分からないキャラクターが登場。バイトちゃんは蛇。口の中はムラサキ色。日常が失われる表現は伝わりやすくて共感できる。穴埋めのようなカエルの立ち位置。終盤付近は、まあなんとかなるで封じ込めていく力技展開に感じた。考えることを放棄してしまったかのよう。これまでの作風から考えて、上田慎一郎監督は暗さや重さと向き合うのが苦手なのだろうか。怒るほどではないものの、すごくフツウに感じる作品。なぜ映画化したのか謎。何日後方式で進む原作の上手さに改めて気付く。役者陣は与えられた仕事を精一杯こなしていて良かったと思う。いっそのこと実写版で観たかった。この映画を劇場で観た人はすごい。
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