Soru

護られなかった者たちへのSoruのレビュー・感想・評価

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)
3.8
知人に感想を求めたら「辛かった」と一言返ってきて気になった作品。辛かったけれど、目を背けてはいけないなと感じた。

根底にあるのは東日本大震災。たくさんの命が容赦なく奪われ、生活も何もかもがたった1日で変わってしまったあの日が始まりだった。
家族を失った。生活を奪われた。10年経った今でも、護られず、あの日に残されたまま苦しんでいる人がこんなにいるものなのか、と胸を痛めた。もちろんフィクションではあるけれど、現実に起こり得る話であり、いつだってこの恐怖とは隣り合わせだと思った。

この世には不埒な人間が沢山いる。自分のことしか考えていない人、目先の利益に囚われてしまう人、そうして欲望のままに生きてしまう人。
護りたくても護れないこともあるのかもしれない。その時、「なぜ助けてくれなかったんだ」ではなく、「助けようとしてくれてありがとう」と言える人が増えれば、世界はなにか変わるのだろうか。
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