Ken

護られなかった者たちへのKenのネタバレレビュー・内容・結末

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

うん、面白かった。3.11の被災地を舞台に、生活保護の実態、理不尽さが描かれている、メッセージ性の強い社会派な映画。ラストのカンちゃんの投稿に、この映画で伝えたい事の全てが語られてる気がする。分かりやすくて好きな構成。
3.11の惨さ、何年経っても消えない震災の傷跡、時間が経つにつれて忘れていってしまいそうな人達に向けて現実を思い出させてくれる映画でもある。
映画を観ながら、生活保護関連で働く友達をふと思い出し、ちょっと心配になった。きっと大変なんだろうな。

護られなかった者たちへの意味が分かった時は凄く納得がいった。震災で救えなかった人達、生活保護で救えなかった人達、この映画では、皆誰かしら護れなかった人を抱えながら生きてる。

声を上げるのは大事だよね。確かに生きていく上で1番大事かもしれない。特に日本人はこれが大の苦手。カンちゃんが言ってた、「声を上げれば、きっと誰かは手を差し伸べてくれる」は本当に素敵だし、きっとそうなんだろうな思えた。

阿部ちゃん、久しぶりに映画で観た。やっぱり演技うめーな。ほんと役者としての振り幅が大きい。今回も凄くはまり役だったし、良い表情してた。彼のあー言う泣きの演技はあまり観た事無かったかも。やっぱり大好きな俳優だなって改めて実感。

佐藤健は、予告編とかでは本人って全然分かんなかった。似てる人だなーってレベル笑。でも、それだけ顔つきとかが普段と全然違ったって事だと思う。髪型以上に、役作りが素晴らしかった。そういう意味では、この人もほんとなんでも演じられるし、素晴らしい俳優。

かやちゃん、は登場シーンでかなりびっくりした。メイクのおかげもあるんだろうけど、もうただの大人だった。まさに働く女性。ついこの間まで、娘役とか多かったのに。でも、子供に感じさせない雰囲気や態度は、やはり流石の演技力としか言えない。ていうか、こう言うパターンの役を演じるのは初めてな気がする!ラストの監禁してる場面の表情は凄かったなー。いやー、ギャップよ。
Ken

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