ちろる

君が世界のはじまりのちろるのレビュー・感想・評価

君が世界のはじまり(2020年製作の映画)
3.7
田舎町である夜起こった高校生による親への殺傷事件が街を震撼させる。
果たしてなぜこの事件が起こってしまったのか?

優等生のえんの親友はボーイフレンドをコロコロ変える自由奔放な琴子。
凸凹な個性の2人ではあるが、退屈な田舎町でいつもつるんでいる。

母親が突然出ていき父親とぎこちない生活をするジュン
若い義母と関係をする東京から転校した伊尾
琴子に密かに気持ちを寄せるサッカー部の主将岡田
そして、琴子が新たに想いを寄せた業平。

それぞれが満たされない空虚な心を持って、放課後を過ごしている。
冒頭の暗いニュースをシンクロさせ、どこかサスペンスちっくな印象の中進む、決してきれいなだけではない、ヒリヒリとした青春群像劇。
誰もが爆発してもおかしくないギリギリのところで、そんな気配を一切隠して何もかもが順調みたいに平然を装っていかなければならない、閉塞感の中で生きている。
もうすぐそこも潰れてしまうという噂がある大型ショッピングモールで、消化しきれない気持ちをどこに、誰にぶつけていいかもわからないまま彼らはいつのまにか同じ場所に辿り着く。

キラキラしてない、ため息つくくらい誰もが満たされない恋心を抱えていて、切ないけど、それでも最後に笑えるならそれでいい。
最後までハラハラドキドキしたけど、やはり所々にちゃんとふくだももこ節がある不思議な作品だった。

中田青緒さん目当てで観たけど、小悪魔な魅力全開でぶっ飛んでるあの感じがサイコーにハマってたな。
ちろる

ちろる