佳香かこ

恋する寄生虫の佳香かこのレビュー・感想・評価

恋する寄生虫(2021年製作の映画)
3.5
極度の潔癖症の高坂(林遣都)と視線恐怖症のひじり(小松菜奈)が、自分を保ち守るために極度に閉じた世界にいたところから、相手を知るため、相手を守るために自分の殻を破り、互いに開いていく様子が綺麗事だけでなく描かれていた。
最高なW主演だった。

この2人はかなりマイノリティとされる2人だろうけれど、本来誰にとっても恋愛って異質な他者を互いに受け入れ、不可侵領域に踏み入れ合う行為でもあるから、それゆえの自分が脅かされるがゆえの喜びやヒリつきが伝わってきた。

私はひじりと高坂が初めて2人でピザを食べ合うシーンにグッときてしまった。
分かろうとしてくれる相手の前では、同じ痛みを分かち合える相手の前では、人はいつもよりも自身の望みに手を伸ばせるものなんだと伝わってきた。

音楽が最高で、あまりにこの作品とマッチしていた。
佳香かこ

佳香かこ