ちゃかえ

過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい 写真家 森山大道のちゃかえのレビュー・感想・評価

4.3
東京都写真美術館TOPにて鑑賞

最高にかっこいいフォトグラファー
森山大道氏 と
その人生・仕事に心酔して敬愛する
編集者と造本師が心血注いで作品を
世に出す姿を記録したドキュメンタリー映画

森山大道氏の写真が、なぜこんなに
見る者の芯に喰ってくるのか
生々しく毒々しくさえもあるのに
目を心を惹きつけ離さないのか

写真はただのコピー
光と影だけ
などといいながら
人生を懸けて瞬間を切り取る

その姿を映像化したいといわれて
なんの力みもなく
「はい、どうぞ」とその
生き様をさらけてくる
潔いというほどのこともなく
受け入れてくれる

ここまでくるのに、どれだけの時間
精神的肉体的に鍛えたり削ぎ落としたりしたんだろう
深くて想像もつかない

自分も半世紀ほど生きてきたのに
まだまだ、全然だ
人にどうみられてるのか
どう観られたいのか 
なにをしたいのか、するべきなのか
迷いまくって、間違いまくってる

そんな時代もあったと、ふと苦笑いしながら
後続に優しくも厳しく言葉をくれる
己の姿佇まいも含め全てで、人生を語って
否定せず全てありのまま
受け入れてくれるような眼差し

愛情深く、生きて積み重ねてきた時間
それがこの稀代のカメラマンの
深みで味だ
ファインダーを通して伝わる熱だ

この映像を作ってくれたことに
感謝!
ちゃかえ

ちゃかえ