ちゃかえ

CUBE 一度入ったら、最後のちゃかえのレビュー・感想・評価

CUBE 一度入ったら、最後(2021年製作の映画)
3.9
カナダ版もリアルタイムで鑑賞した世代

あれから20年以上…自分が充分大人になって観ると、全く違う感じ方で
そこから、自分の現実社会でのサバイブの経験値が上がった事を感じました
プログラムのインタビューで吉田剛太郎さんがCUBEを社会構造や人間関係の象徴と表現されていたので映画の鑑賞点は間違いなかったと思いました

20歳そこそこで見たカナダ版は、訳わからない状況に放り込まれた側の人と一緒に、理不尽に腹たち恐怖し「生きたい、でたい」の一心で井出のようにがむしゃらに行動するタイプで、理性的な要素が少ないタイプでした。故に不条理劇に対して解らなさがストレスになり、面白く観る事が出来なかったと思います。舞台設定や装置やトラップの面白さだけが印象に残っています。

今回の作品では、もっと「人」を客観的に観察する事ができて、制作側のメッセージを受け取れたと感じました。
希望とまでは言えないけど、何かしらのゴールのために考えて動く人や感情がむき出しになっていくタイプなどを自分の経験からアルアル感を持って見られました。
私観ですが、どんなに若い頃感情と反射で動くタイプでも、社会的に経験を積むとその中の自分の立ち位置を把握して柔軟に対応するだけの余裕が出来てくるんだなぁと気づいて、リメイク版で自分の成長を感じました(笑)

いま、自分は誰っぽいか?知り合いは誰っぽいとかを、観た友達とおしゃべりして盛り上がりそうです。

ちなみに二十代の私は井出さん、30代は越智さん、いまは甲斐さん8割安東さん2割って感じなのでは?と思いたいのですが、本当のところは「最初の男」並みにあっさりサイコロステーキになる自信しかありません!
ちゃかえ

ちゃかえ