滝井椎野

TITANE/チタンの滝井椎野のレビュー・感想・評価

TITANE/チタン(2021年製作の映画)
3.5
これは難しかった。
正直あんまり内容は理解できてないのだが、それでも愚考するならば、垣根を超える物語だったのだろうか。
主人公は、人間と車という通常なら有り得ない垣根を超えて性行為を行い、さらには子供を身籠るという極めて女性的な状態にありながら、人を殺めるというこれまた境界を超えた行為の代償として男の振りをする。身を偽りながらであるが仮にも親子という関係である消防士のおじさんと、最後にはそれを超えた関係を持とうとする。そして結末、人間と車の子供という世の摂理を超えた存在を産み落とす……。常識だとか、世の摂理だとか、生と死だとかの垣根を超えた、何とも圧倒される作品だった。
しかし世界は広いもので、人と車の性行為やその子供なんてものをフィクションであれ目にする日が来るとは……。
滝井椎野

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