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TITANE/チタンのchampavertのレビュー・感想・評価

TITANE/チタン(2021年製作の映画)
4.0
何の前情報もなしに観たら、何度も( ゚д゚)ポカーンとしてしまった。開いた口が塞がらない。前半は車とのセックスもありクローネンバーグの『クラッシュ』の影響が強いが(ジョン・カーペンター『クリスティーン』、あるいはラリー・コーエン『アンビュランス』ばりに車が動きまくるが 笑)、失踪者を装って消防士に引き取られてからの後半は、もう色んな方向に話が飛べそうで、でもそこまで飛ばずに、結局ジェンダーを意図的に改変することはできずに、テープでぐるぐる巻きにして抑圧した「女」が甦って踊りだしてしまう主人公にまた( ゚д゚)ポカーン。でそのあとのクライマックスの出産にも、チタン赤子を取り上げた疑似父の愛にも三たび( ゚д゚)ポカーン。
カンヌもたまにはこういう尖った作品に賞を与えとかないと威厳が保てないのでしょうか。ジェンダーとは、女らしさとは、男らしさとは、そして家族愛とは、というわりとマジメな中身を文字通り孕んで、普通じゃない方法で表出したボディホラー。
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