たむ

ジュ・テーム、ジュ・テームのたむのレビュー・感想・評価

3.5
時間を研究する、アラン・レネ監督らしい意識と記憶の複雑な映画です。
クリストファー・ノーラン監督やミシェル・ゴンドリー監督もお好きという事もありますが、それを知ってみると、それぞれの作品への影響がとても良く分かります。
1分間過去に戻れるという装置に自殺未遂で生還した男が実験台として参加することになります。
この装置がもうなんだかよくわからない。
デザイン性もなく、かっこよくもない、肉まんのような装置の中に入るわけです。
このデザイン性もかっこよくもないところが、『テネット』や『エターナル・サンシャイン』のあの装置群を思い出させます。
また本当に戻っているのか、ということに関しても、どうやら戻っているようだが、意識や記憶にかなりの影響を受けているようです。
そのあたりが『エターナル・サンシャイン』のあの逃走劇を思い出させますし、『メメント』を思い出させもします。
本作は非常に難解で、複雑ですが、後に影響を受けた作品をテキストにすると興味深くなるところもあります。
おそらく監督名をふせて観ても、アラン・レネ監督でしかない、複雑なのに忘れられないような作品ですね。
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