すずき

トランスフォーマー/ビースト覚醒のすずきのレビュー・感想・評価

4.0
太古の昔、星々を喰らう鋼鉄の邪神ユニクロンが存在した。
超ロボット生命体トランスフォーマーのマクシマル族は、彼らの持つワープ装置をユニクロンに狙われ、母星を破壊されてしまう。
生き残ったマクシマル族たちは、ワープ装置を持って地球に降り立った。
時は流れ、1994年。
弟の治療費を稼ぐ為、自動車窃盗に手を出した元軍人の若者ノア。
だが、彼が盗んだポルシェの正体は、実はトランスフォーマーのオートボット軍団の1人、ミラージュだった!
ミラージュに気に入られたノアだが、その時、考古学者エレーナが発掘されたワープ装置を目覚めさせてしまう。
オートボット達は、ユニクロンの手下であるテラーコン軍団からワープ装置を防衛するのだが…

実写「トランスフォーマー」シリーズ第7作。
日本でもフリーダムな吹替で人気となったアニメ「ビーストウォーズ」のキャラクターが登場する本作。
アニメのストーリーは全く再現されず、ゴリラとエアレイザー以外のビースト戦士はストーリーに絡まないけど、アニメと同じ吹替キャストを揃えてきただけでもファンには嬉しい!
アニメ版の監督であり、今や日本で1番名の売れた音響監督・岩浪美和氏がいるのも素晴らしい。欲を言えば翻訳・アンゼたかし氏も欲しかった…。
次回作ではラットルと、千葉トロンを始めとするプレダコンの面々も出して欲しい!
でもプレダコンの中でもスコルポスだけは、実写第1作から何回か登場してるんだよな…誰かお偉いさん(ベイやスピルバーグ)の贔屓キャラなのか?

あと今作は、マイケル・ベイ監督の実写映画シリーズでは存在を示唆されたまま打ち切りとなった、シリーズ最強の敵・ユニクロンも登場!
3部作となる予定らしいので、是非マイケル・ベイ版のストーリーと繋げて欲しい!
そしてユニクロンとの決着・シリーズ完結まで突っ走って欲しいけれど、多分それは無理だろうな…。

ストーリーはいつもの流れ。
つまり、昔々地球に降り立ったトランスフォーマー(ないしはその創造主)が、地球に厄介なパワーを持つ物を置いていった所為で、現代の地球でエラい事になる話。
毎度毎度トラブルを持ち込みやがって!
異色作である前作「バンブルビー」と違い、マイケル・ベイ監督のトランスフォーマー実写シリーズに戻ったような映画だった。
相変わらずオプティマスは脊椎引っこ抜きと顔面破壊大好きだし。

吹替に関して、主役周りがアイドル声優・コメディアン・女優と本職声優でないメンツで、その演技を心配していたけど杞憂でした。
特にノアの吹替を担当した中島健人が悪くなかったのが驚き。
コメディアンは案外ハマる時もあるんだけど、歌手は鬼門だったからホントに意外。
ミラージュのオリエンタルラジオ・藤森慎吾も、言われないと本職声優かと思う。
今調べたら彼、結構声の仕事もこなしてるのね。

そして本職声優たちの仕事は言わずもがな。
アニメ版と同じキャラを演じる人も、そうでない人もみんな芸達者で技量が高い!
アニメ版にいなかったキャストでは、ホイルジャック役の武内駿輔とアーシー役のファイルーズあい、そしてユニクロンの山路和弘の演技が印象深い。

今回の原作ネタは全て「ビーストウォーズ」から拾ってくるのかと思ってたけど、意外なサプライズも。
クライマックスの傷ついたミラージュとノアの「奥の手」が、まさかあの作品から引っ張ってくるとは!
それからラストに出てくる政府秘密組織、マイケル・ベイ版のセクター7かと思いきや、これまた驚きのサプライズがッ!
次回作では彼らとトランスフォーマー達が本格的に絡みだすんでしょうか。