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Het dak van de Walvis(原題)
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『Het dak van de Walvis(原題)』に投稿された感想・評価

タイトルは「鯨の上で」

チリの巨匠、ラウル・ルイス、1981年の作品。オランダ映画。

パリ、シネマテークの配信でフランス語、スペイン語、ドイツ語、英語混在音声にフランス語字幕で、会話の内容はかなりあやふやだったが、オリヴェイラの「世界のはじまりへの旅」を彷彿とさせるような神話的な映画、世界文学的なファンタジーで生涯ベスト級に面白かった。

ストーリーは、オランダ人民俗学者ジャンが家族とともに、ナルシソという富豪に導かれ、パタゴニアを訪れる。そこにはナルシソの祖父が先住民との賭けで手に入れた一軒家があり、ジャンはそこに滞在しながら、まだ解明されていない言語を話す最後の二人となった先住民と、彼らの言語の仕組みを解明するための対話を進める。やがて先住民は、どんなもの、動物の人形や日用雑貨の小道具を見せても「ヤマスクモ」という同じ単語を発するようになり事態は混迷を極めるようになる。

後半では、ジャンの息子が鏡に映った自分の分身と交わって子どもを妊娠したと狂言めいたことを唱え始め、ギリシャ悲劇の即席上演のようなことが行われていく。

このパタゴニアの土地、草原に立つ一軒家自体が、赤、緑、黄色と原色の照明で絵画的に変色された神秘的な空間を演出されているのだが、劇の後半ではジャンがノートに描く手が二重、三重写しになり、ノートに書かれた字がみみずのようにうねって、子どもがポーズをとり、遊ぶ像がまた何重にもなって、その母親が長ゼリフを話す場面に半透明のレースカーテンがかぶさって、画面がモザイク状に有る。これはすべて、実写の映像が絵画に、記号に、文字に変換され、また戻ってくるような場面を想起させるが、こうして、文字というものそのものの起源に遡るような、「文学」としての映画(映像)のテクストへの思索、いや思索というほど頭でっかちなものではなく感覚と言語の衝突のようなものへの肉薄がある。
4.5
話としては民族社会学者の主人公が、遠い地に立ち、虐殺により残り2人になった先住民たちと対話していくというストーリー。
言語はフランス語、スペイン語(チリ話言葉)、オランダ語、英語、ドイツ語(イタリア語、ロシア語がふとした時に入るのでウワーッとなる。)そして先住民の架空の言語が混ざった会話で脳が混乱する。
普通に会話していた子どもが、ふとした瞬間に架空言語を話し始めるのは不気味。一軒家は草原の原色が目立つ中に立っており一つの絵画のようになっている。
ストーリーとしては上記の通りだが、後半になるにつれ、画面はどんどん実験的になっていく。判読不能な文字、フレーム内で重なる手や顔、多重露光、子どもと牛の記憶、赤い雲、抽象画のようなカーテン。言葉が混線していく映画が、ついには画面そのものを読めない文字のようにしていく。ジェイムズ・ジョイスを無理やり映像化したらこうなるのかもしれない、と思った。大量のビンが出るショットは『Three Sad Tigers』でも出てきたのでラウル・ルイスのお気に入りアイテムなのかもしれない。
インディアンがいかに迫害を受けてきたかを語る場面で、話している女性の姿が、穴の空いた抽象画のようなカーテンに隠されるのが印象的で、脳が会話から追い出されていく感覚があった。
後半は舌を切り刻んだり、後ろ歩きと、シュルレアリスム画面が続くが最後の会話は穏やかなエンディング。妙に爽やかな気持ちで見終わる。
Kazuma
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ジャームッシュがベストに入れてたらしいラウル・ルイスのオランダ映画。(終盤のコーヒーの俯瞰ショットは『コーヒー&シガレッツ』で引用されたと考えていいのかな)

多言語混在でかなり難易度高いが、フランドル絵画的な積極的な光が良き。