都部

キスから始まるものがたり2の都部のレビュー・感想・評価

2.7
前作の表現上の問題点の多くは改善されており、それが単なる学生間の月並みな恋愛劇であるという点を頑張って無視すれば、喜怒哀楽がひどく明確な映画として呑み込める作品となっている。

また改めて主演を務めるジョーイ・キングの瑞々しい演技や振る舞いの数々が作品を支えていて、前作に引き続き高いティーンズラブコメディ性を維持しているのは褒めるべき点である。

将来の方向性と交際に対する姿勢を重ねて語るプロットは普遍的ながら共感を呼び起こすもので、やはりその過程や解答は既存の同ジャンル映画からの盗用のごとく月並みでこそあるが安定している。

それに対して今回130分という、この浅慮なフランチャイズにはあまりにも長すぎる尺を埋める為の間男として配置されたマルコの物語が未熟であるのは否めない。その割にエルという一人の女性を中心に巡るドラマは、彼女が気を持つ男性の所在にのみ進行していくので、若者ならではの愚かさを感じさせる。大学進学なんてそんなもんなのかもしれないが、これでちゃっかりハーバードが視野に入ってる辺り嫌な感じだ。

本作で描写される恋愛関係の機微は、恐らく1作目の締めを見て観客が予想するであろうもので埋め尽くされており、期待を外さない脚本であると同時に関係の交差による予想外の面白さはやはり得られないのが残念である。3に続く。
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