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夜よ、こんにちはの2秒前のレビュー・感想・評価

夜よ、こんにちは(2003年製作の映画)
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テレビからは常に大衆向けの政治が垂れ流されている一方で、隣の部屋の覗き穴を覗くと巨大な政治=モロが飯を食っている。この乖離にテロリストの一人である女性は精神の安定を崩していくのだが、中盤の一場面を除いてモロと彼女を会話させない徹底が素晴らしい。彼の手紙は法王の心を動かさなかったが一人の女性を揺さぶった。そして残るのは残酷さよりむしろ彼女のいじらしい思いと解放の喜びではないだろうか。映画はこれくらいやってなんぼ。パチパチパチ。

彼女がテロの成功をニュースで知るまでの冒頭が良い。新年を祝う花火、落ちるシーツにこちらを伺う隣人。成功と不安を噛み締めながら彼女は赤ん坊を抱くハメになっている。
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