kazata

プレゼント・スティル・パーフェクトのkazataのレビュー・感想・評価

3.0
北海道を舞台にしたタイ映画『Present Perfect』の続編。

コロナ禍の影響で通常の興行ができず、本作をNetflixに売ろうとしたけど(約3000万円の予算で製作されたのに…)1000ドル=約105,000円という格安な金額提示をされてしまったそうで……切な過ぎるから応援の意味を込めてウォッチ。

vimeoでレンタルor購入可↓(日本語字幕あり)
https://vimeo.com/ondemand/pspjapan

かつて北海道旅行で出会ったOatのことを忘れられずにいるToeyは、旅行で訪れたタイのリゾート地でOatと4年ぶりに再会し、"3日間だけ全てのしがらみを忘れて恋人として過ごした後は互いに二度と会わない"と決めて、最初で最後の恋を謳歌しようとする物語……ってことで、前作同様の"失恋滞在モノ"設定に"不倫モノ"要素が加わってパワーアップ!

個人的には『サヨナライツカ』みたいな"愛人モノ"に弱いので、(前作は嫌いだけど)それなりに楽しめました!
(撮影面での技術的な質の向上だけでなく、脚本力、演出力、演技力も前作と比べて格段に上がっていますね)

交わされる会話も面白いし、各キャラみんないい味出てるからから良き!
特に滞在先で出会う軽い感じの日本人旅行者のケンタの醸し出す空気感がナイス!
(演じているのがEXITの兼近さんの元相方の逢見亮太さんということで、なんでも芸人を辞めた後はタイで俳優活動をしているみたいだけども……普通にいい役者だと思うから頑張って欲しい!)

(ケンタが醤油を見て納豆を食べようとする件があるけど、パックの納豆を開けたら「ちゃんとタレ入ってんじゃん!」というツッコミ不可避…笑)

(納豆の件もそうだけど、食事の取り分け描写とかいろいろ前作の反復展開になっています…)

水泳を教えるシーンを筆頭に各シーンやカットの尺が長くて間延びしちゃってる感も若干……でも水泳シーンはクライマックスのフリとして機能するいいシーンでした。

"理性=理想or感情=現実"の狭間で揺れる二人を描こうとしていることは伝わってくるんだけども、(宿のオーナーの離婚話を重ねるんじゃなくて)どうせならToeyの幼少期に両親が離婚して辛い想いをした…的な設定があれば、より直接的&感動的にテーマを描けたと思うんだけどもな。
(ってか、やたらと物分かりのいいOatの奥さんがいい人過ぎ!)
(と言うか、前作と比べてOatのタトゥーが『蛇にピアス』のARATAばりに増えまくっているのが無駄に気になる…笑)

(前作を見ておいた方が細かい部分で繋がりに気づけるってことはあるけれども……前作は倫理的な問題を孕んでいてToey&Oatの関係性にマイナスな影響しか与えないから、ぶっちゃけ本作だけ見て二人の過去は想像で補っておく方がベターでしょう!!)
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