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ヤクザと家族 The Familyのtobitsukijackのレビュー・感想・評価

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)
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試写会に参加させて頂きました、気負わず書きます。

ヤクザの世界という[世界]はないのだろうけど、これまで創造された映画やドラマやドキュメンタリーで今まで観てきたものでしかわからない世界観の流れで見ると、この作品は少し異質である。ヤクザと言えば!な抗争とか怒号とか、やっちまえなオラオラもあるにはあるのだけど。時代も変われば表現も変わるもの。

渋いです、カッコイイとも思います。でも、憧れてはいけないんだとも思います。なにか、別物の世界のように括って弾いて決して交わらないようでいて、どこかで交わり誰かと関わり、ふつうに私達の時間の中で同じ時の流れの中で生きてるわけで。

あの義理人情や礼儀や仲間意識や真っ直ぐな中身がどこか違う形で世の役にたったなら…。血筋のように、この世界でしか生きられない生き方を見て、剣を振り回していた武士が現代には居ないように、日本でなら何か形を変えて生きる方法を見いだせるだろうか、いつか…そんなことも思ってみたり。

この類の映画で感動しちゃいけない気もちもどこかにあったのだけど、感動しましたし、役者さんの表現にもいろいろ驚きました。こんな声や表情するのだなぁとか。そして、こんなにもいい景色(表情込みで)撮るかぁ〜と感心しました。

現代は良くも悪くもSNS影響下。道具を扱うことに長けているはずの人類の今後は、退歩の道か進歩の道か、話がそれてしまいましたが、まぁいろいろ考えさせられる。

綾野剛の、時に助走ありきの瞬発力バシーンっと発する演技好きです。こんなにいろんな顔なさる方よ。そこのみにて光輝くとか、日本で一番悪い奴らとか、キャラクターとしても印象的な作品を改めて振り返りたくもなりました。

そして、いっそういっそんにのめり込む。どんな役柄かなと思ったら、そうきたかー!で、なかなか、引き込まれる。どちらかというと控えめすぎる存在感の市原隼人も良しとする。

一足お先に拝見させて頂きまして、ワタシの記憶の中では、北斎漫画以来の入れ墨と風呂シーンでした(笑)。予告で流れるそれぞれのシーンが物語としてもどこでどんなふうに繋がっているのか、こうきたかー!な仕上がりを愉しんでもらいたいです。そして、エンドロールやばいでしょ。ファミリーとサグラダ・ファミリア ミックス?聖歌のような壮大な感じで、凄い曲作るなぁ、とにかく感動した。
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