とにかく映像が美しい。
時に光と影を、時に生々しさを、時に目線だけで男の悲哀を見せる。
主演の綾野剛くんは、
こういう少し世間から外れた男の物悲しさを演じたら、誰も真似できない。
舘ひろしさんも、穏やかな時と凄みをきかせる時のギャップがリアル。
この2人が物語を大きく牽引するのだけれど、私が一番胸を掴まれたのは頭役の北村有起哉さん。新聞記者の時とも、浅田家!の時とも全く違う顔を見せてくれており、決して組長にはなれない器の男の弱さを繊細に演じている。
話自体は、よくある任侠もののようにも思えたが、強さの裏側にある弱さを見せることで話に深みが生まれている。