れおん

ヤクザと家族 The Familyのれおんのレビュー・感想・評価

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)
5.0
遠ざかる愛を引き戻せるのなら、この身など幾らでも、何処へでも差し出すから。

「家族」とは何かを追い求め、ヤクザという生き方を決断した男の人生の話。1999年、2005年、2019年、時代は変わり、社会は変わる。

善と悪の壁をぶち壊し、倫理観よりも大切なものを突き付けられた。義理や人情などといった言葉では片付けることのできない感情。愛ともかけ離れたその感情。日本人固有の熱き感情。

躍動感のある映像。藤井道人監督の世界に再び溺れ込んだ。
「青の帰り道」に惚れ込み、「デイアンドナイト」「新聞記者」「宇宙でいちばんあかるい屋根」、そして今作。素晴らしいに尽きる。『人間』という特殊な生き物を映像作品に落とし込み、観客を巻き込む力が、藤井監督の作品にはあると思います。

少女の言葉に山本は救われたのであろう。
涙がただただ止まらなかった。

息継ぎの仕方さえ忘れた。そんな今もただただ生きたいと泣いてた。
れおん

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