半兵衛

姑娘(くーにゃん)と五人の突撃兵の半兵衛のレビュー・感想・評価

2.0
太平洋戦争の中国で清く正しくを絵に描いたような宇津井健の軍人ぶり(といっても新東宝時代はこんな役柄しか演じていないけれど)が鼻についたし、そんな彼が中国人に対して親身になって対応したり中国人娘三ツ矢歌子と恋に落ちたりする姿がリアリティが無さすぎて真面目に見る気が失せてしまった。そして序盤でのゆるゆるな軍隊生活の様子から、後半の『恐怖の報酬』展開というへんてこなドラマ構成にもついていけず…。それにニトログリセリンを積んでのトラック運搬で、どう見ても富士の裾野みたいな場所を延々と走るという本家での危険な場所をギリギリのドライブテクニックと知恵で突破するというアイデアを無視した演出(しかも敵からの銃弾が結構飛び交っているのにニトロの入ったドラム缶には当たらない)はいくらなんでも酷すぎるのでは。

数少ない見所は絶世の美しさを誇るヒロイン三ツ矢歌子の存在、セミヌードシーンまであったりする。

脚本に『月光仮面』や『レインボーマン』などに参加した川口康範が参加しているためか、所々で右翼めいた台詞が(元々新東宝は左翼活動が盛んになった東宝を嫌になったスタッフやスターが集って作られた会社なのでそうなるのも自然なのではあるが)。
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