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海の上のピアニスト イタリア完全版のtottsunのレビュー・感想・評価

4.5
「海の上のピアニスト イタリア完全版」🎬40
1900年、大西洋を横断する豪華客船で置き去りにされた赤ん坊が見つかり、ダニーブート・TDレモン・ナインティーン・ハンドレッドと名付けられる。船の中で育ったナインティーン・ハンドレッド(ティム・ロス)は、ダンスホールのピアノで卓越した演奏を披露するようになり、大人になった彼は、即興曲を次々に繰り出す超絶技巧の天才ピアニストとして聴衆を魅了していた。ある日、彼は船で見かけた美しい少女(メラニー・ティエリー)に一目ぼれする。
この作品は旦那さんのお気に入りのため彼の勧めで通常版はDVDなどで何回か観ている。
しかし完全版の鑑賞は初で、映画館での鑑賞自体も初である。
こういうディレクターズカット版みたいなのは意外と世の中にあるわけだが…
蛇足なことも多かったりしてちょっと心配になるのである。
けれど今作は幼少期や演奏シーンが追加されているのでより深く1900の存在が印象的なものになっているように感じた。
「ニューシネマパラダイス」の時も完全版の方が好みだったのでこの監督の作品としては共通してるかも。
今まで見たテレビのサイズでの鑑賞とはなかなか目の行かなかった1900の眼差しや目の表情、マックスの目の揺らぎが印象的だった。
普段こういう演奏のシーンが有る作品はつい役者自ら演奏してるのか気になったり、ピアノの演奏シーンが単調になりがちでそういった部分が気になりがちなのだが今作はティムロス自身がピアノを演奏してるとのことで安心感からなのかあまり野暮なことは考えず集中して鑑賞できた。
手が4本に見えるとか対決の時のタバコの件とかそんなバカな!と思いつつもどこか真実味を帯びているような感じがして好きである。
今作がお気に入りの人の中で嵐の中の航海中にピアノの台車のストッパーを外してマックスと揺れに合わせながらピアノを演奏するシーンはよく話題に上るが何度見ても良いシーンだなと思った。
1900が見つめる少女もとても美しくて本当に目を見張る。
その時のティムロスの表情もまた良い。
DVDで見た時はわりと淡々と鑑賞してる自分がいたけど、今回は彼がタラップを降りていくシーンや少女とやりとりするシーンなど今までは感じられなかった何かが胸にこみ上げるものがあった。
映画館で鑑賞できたことが本当に嬉しかった。
私的には☆☆☆☆.5かな。
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