蛇らい

あのこは貴族の蛇らいのレビュー・感想・評価

あのこは貴族(2021年製作の映画)
2.5
階級社会の階層が違う2人を強引にこじ付けて相対化しようとする意図に辟易とした。社会と人間の大前提すぎる事象をあたかも気づきを与えている的な上から目線と論点のピントのズレは否めない。

精神論のみで突き進み、人間はボーダーレスであるという暴論にたどり着く。さらに、女性の主人公を変化させる人物が女性のみというレイヤーの狭さ、価値観の遅れも感じる。これが逆だったら怒る人がいるのにだ。

2人が出会うまでも長すぎるし、それを忘れさせる脚本の上手さもない。いざ出会ってからも、それ以前の物語の蓄積と正しく噛み合わない。

2、3年前の作品であれば、許容範囲なのかもしれないが、社会や映画界の時計は今も着々進み続けている。
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