思いがけない傑作。
なかなか笑えない状況がずっと続くのだが、笑えないのに笑えるという、絶妙な塩梅のコメディパートのお陰でシリアスになり過ぎないのが実に良い。ディザスタームービーでこうまで笑いの起こる作品も珍しいだろう。
基本的に登場人物たちに華がない……だがそれが良い。笑いも涙も熱い展開も、こういう等身大のキャラクターたちが繰り広げるからこその味というものがある。こればっかりは、いかなハリウッド超大作であろうと出すことができない魅力だろう。
個人的なお気に入りはやはりアニキ。見事なまでに死亡フラグを重ねていくのだが、それを跳ね除ける謎の力強さがある。外見が何となく江頭2:50に似ているのも良い。
そんなアニキと課長の関係性が実に良い。最悪なファーストコンタクトから、まさかこうまで熱い絆が生まれるとは……。話が進むにつれてパッとしない彼らがどんどん格好良くみえて来るのが素晴らしかった。