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美女缶のeyeのレビュー・感想・評価

美女缶(2003年製作の映画)
3.7
"美女缶" (2003)

今から16年前

"四畳半SF"

と名付けられ公開された映画

妻夫木聡 氏・臼田あさ美 氏主演で
世にも奇妙な物語でリメイクもされた作品

ストーリー自体に
一切難しいことはなく

"缶詰から生まれる美女との純愛ストーリー"

となっている




"アメリカン・ビューティ"(1999)
"マルコヴィッチの穴"(1999)


に影響を受けて製作された映画でもある

第14回 ゆうばり国際映画祭 グランプリ
ぴあフィルムフェスティバルPFFアワード

各地の映画祭で数々の賞を
受賞し高評価を得ている

SNSが発展する前の時代の作品なので
もし現代に作られてたら

「バズり方が違うんだろうなー」
とか考えてしまう

今観てもこのネタを思いつくセンスが最高で
想像力と妄想力が遺憾なく発揮されている

且つエンターテイメントとして抜群の映画

『女の子を撮りたい』

という男性の欲望が見事に体現された作品

ストーリーには
時代を感じさせるポイントがいくつもある

・初期のガラケー
・後ろに大きいブラウン管テレビ
・端子を繋いで録画するVHSデッキ

美女缶の説明VTRが流れるシーンも
妙なVaporwave感が出てる

そして現代とは異なる女性のメイク
髪型・服装も時代を感じさせる

劇中 健太郎がカレーに納豆を入れるシーン

オーディオコメンタリーで明かされた

演じた藤川さんは

"納豆"に対して食わず嫌いがあり

作品の中で

"初めて食べた"というのに

演じてる最中は

「美味い美味い」と言って

食べてるギャップがなんともツボだった

実際にこの映画は

"美男缶と美女缶同士の恋でもある"

2回以上観ると

・劇中音楽が相当効果的に挿入されてる
・健太郎とユキの2人がこなれていく感
・小道具の使い方が凄い

などなど見所がいくつもある

クライマックス間際

2人が飼っている金魚が
1匹死んでしまうシーン

2人の終了の時期も近い

という部分にかかってるメタファーが
どんどん寂しさを感じさせる

この展開には哀愁感が漂ってしまう

自分が缶から生まれたことを
理解したあとのクライマックス

どう展開するのか余韻を残しつつ
エンドロールなのもまた素晴らしい

いちいち奥深さを感じるのは
持ち合わせるセンスの妙技

別途収録されてる

"ロス:タイム:ライフ2"

この短編もエンタメに溢れている

(今はアディショナルタイムっていうけど)

サッカーのエッセンスを取り入れて

主審
解説
ラインズマン

それぞれのコンビネーション芸に
思わず笑ってしまう

美女缶も含めてとてもボリュームがある作品
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