政治家サッチャーの功罪は如何に?
身近なイギリス人たちからは容赦ない批判しか聞かないんで、実際はどうだったんだろう?と思い観てみた。簡単に言えば「大きな政府から小さな政府への転換」「公助から自助」で、それは知ってた内容と大差なかった。手厚い福祉の大胆なカット。企業の自由活動のための規制緩和。消費税増。利益第一の新自由主義の加速邁進。…あれ、戦後〜今の日本と同じじゃない?フォークランド紛争勝利で潤う富裕層、現時点ではこれだけは違った。
最初は信念持って「最大多数の最大幸福」を願ってたはずなのに「信念を曲げないという信念」に固執し、周囲の助言も聞き入れず、苦しむ国民の現実が見えなくなってゆくサッチャー。21世紀の今の英国は、ブレグジット以降国内分断が深まり、物価高騰、格差拡大で若者の将来悲観が進む。サッチャー施政から地続きでの今の混迷があるように思う。
サッチャーには無かったものと勝手に思い込んでたけど、サッチャーもまた男社会で、女だからという蔑みとも日々戦っていた。その点は同情。孤独も深まり、妄信と独裁手法で突き進むしかできなくなっていったのか。
メリル・ストリープの憑依的演技は迫力ものだった。完璧な英国アクセントや喋り方は勿論、声までサッチャーに寄せてて凄すぎる。
数日前の日本では、危うく日本版サッチャー高市が首相になるところだった。危なかった〜