みむさん

マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙のみむさんのレビュー・感想・評価

2.8
なりきりっぷりがスゴイけど、内容は単に年表的だったなぁ。

 メリルストリープのなりきりっぷりが公開前から話題になり、アカデミー賞ノミネート最多のメリルさん、これで取って3度目(だったか?)の受賞なるか!?みたいな話でもちきりだったっけ。

そのなりきりっぷりばかりが先行し、それに比べ、映画の内容や評価が思ったほど取り上げられてなかった印象。

ってことは…。

やはり、メリルさんのなりきりっぷりを観るにはいいかもという感じでストーリー自体はさほど印象に残らず、事実の羅列という感じ。年表を映像で説明されてるような感覚。

正直言ってサッチャーが現役の時代については学校で政治経済の授業で触れるくらいで自分から興味をもつほどではなかったのであまり覚えてないんだけど、とにかくガンガン強硬にいく印象だけあった。その印象はそのままだった。

邦題に「鉄の女の涙」とあるのでもう少しトップでいた頃の苦悩、とくに、女性首相誕生時の心のうち、フォークランド紛争の時の決断にいたる葛藤そんなあたりをじっくり描かれるのかも?と期待していたけど、その辺の心情描写はあっさり。

もしかしたら、ほんとにあっさりした心情だったのか?と思ったけども。でも、何かしらの苦悩や葛藤はあったと思う。

夫デニスとのプライベートの部分はよかったけれど、やっぱりこの邦題からは「鉄の女と呼ばれても、実はこんなに苦労して悩んでますぜ」ってのがもっと(盛ってもいいから)あったほうが私は良かったんじゃないかと思う。

存命の人物、しかも世界でも知らない人の方が少ないくらいの人物を演じるメリルさんは、それはそれはいろんなプレッシャーもあったでしょう。そのなかであのなりきりっぷりは見事。