このレビューはネタバレを含みます
可笑しくて悲しかった。
自分が飲めない人間なので酒を飲む場では最終的に酔った人たちを観察する事に徹してしまうのだけど、いつも可笑しくて悲しい気分になる。この映画観てるのと同じ気分。特にイギリスでは皆んな、人との時間を共有するためというよりも、人と居ながら個々に抱える何かを紛らわせるために飲んでいる感じがある。言い換えれば、お酒の力を借りて抱えている問題を話すきっかけを作るのではなくて、それが何だったか忘れてしまいたい様な飲み方。行ったことないけど、さほど離れていない飲酒大国デンマークも似ているのかな。
ストーリーは完全に読めてしまうけどアイディアは凄く良いし、とにかくマッツが最高潮。元々ダンサーだったの知らなかった…神は彼に何物与えたら気が済むんだ?そろそろ歳とるごとにカッコ良くなるのやめてくれないと何かのバランスが狂ってデンマークの地盤がズレそう。
あるインタビューでマッツがラストのダンスシーンに付いてこう言っていた。
「トーマス(監督)はあのシーンで相反する想いを描きたかったんだ。空を飛びたいのと同時に落下したい男の気持ちを」
それで私は腑に落ちた。ヨーロッパの人は皆んな、空が飛びたいけど同時に落下したいからあんな風に飲むんだなって。