証言者の身を守るためにアニメーションという手法をとったドキュメンタリー。稚拙とさえいえるアニメーションだが、逆に不気味で不安感が募る。時折挟まれる実際の映像もショッキングだ。
アミンの「語り」がどこまで真実なのかはわからないが（プリンストン大学でポスドクのポジションにある/あったデンマーク在住でゲイの元アフガン難民なんて特定が容易すぎではないか）、大国どうしの対立と侵略戦争によって故郷が奪われていく悲痛は十分に伝わる。いつでも犠牲になるのはアミンたちのような、普通のひとびとだ。密入国は犯罪であるが、しかし国を捨てざるをえない状況もあり、さらに日本ももはや受け入れ国として他人事ではない。これに解決策なんてあるんだろうか…
ロシアのポリ公どもが難民の女性をおそらくレイプするシーンはアニメでよかったと思うくらいしんどい。ロシアのやることはいつでもろくでもねえな、と、道産子のわたくしは思うのでありました…北方領土返して……
それにしてもアミンの彼氏がいいやつすぎるので、大事にしてさしあげてほしい。
