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アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台のatomのレビュー・感想・評価

3.8
舞台で、だいぶむかしに、ウラジミールとエストラゴンを串田和美と緒方拳(どっちがどっちだったか忘れたけど)、石橋蓮司と柄本明(同じく)が演じたのを観たことがあったっけ。柄本兄弟の映画も観た気がする。

囚人たち(って囚人役の役者さん達がね)演じる『ゴドーを待ちながら』初舞台が素晴らしかった✨ なにしろ囚人達の日常自体がベケットが書いたセリフにぴったりシンクロしているのであって、彼らの抑圧されているエネルギーが、舞台の上でここぞとばかり大っぴらに、スリリングに噴出されたのだった。

二回目の舞台からは早々とフレッシュでなくなって(そこがプロの役者と違うとこか)必然的につまらなくなっていく(小器用になり上手くなっていったのかもだけど、初演のキラキラ✨がなくなった)のを、(囚人役の)役者さん達が上手いこと演じていて、…がっかりだけど、仕方ないや。

文化事業とかを推進する役目の人たちの偽善っていうか傲慢な感じ、自己満足のために他人の心を弄ぶことに無頓着な感じ、にウンザリしてきてたので、あちゃちゃー😅な顛末に、全然スカッとはしないけど「…やったね」とも思えた。
彼らのその後が気になる。

それにしても娑婆の世界は不条理劇よかもっと不条理なことだらけよね。まったくなにがなんだか。ゴドーはどこうろついてんだ?
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