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殺人捜査線の一のレビュー・感想・評価

殺人捜査線(1958年製作の映画)
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有無を言わさずカークラッシュと銃撃から始まるオープニング。既にいちばん面白い。地味な刑事コンビを差し置いてキャラが立ちまくっているイーライ・ウォラック&ロバート・キースのギャング2名+金髪の若いドライバー、リチャード・ジャッケルのおかしな3人組が素晴らしい。酒を飲もうとするジャッケルをキースが後部座席から叩いてビンを奪い、路上に中身を流し捨てるシーンのカッティングがなんか無駄に好き。丁寧かつスピーディーな話運び、そして気の毒にも事件に巻き込まれる母娘を、建設途中のハイウェイという素晴らしいロケーションで繰り広げられるカーチェイスのエンディングまで連れ去っていく作劇にはひたすら感心。ただらなぬ雰囲気の“ザ・マン”は車椅子ごとあっけなくスケートリンクに落っこちるし、ウォラックもやっぱりハイウェイから落っこちる。絶体絶命のチェイス中にウォラックがドライバーに投げ掛ける「この場をなんとかしないと殺すぞ!」って台詞がツボです。Last Wordsにまつわる台詞も全部粋。
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