でぃーら

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースのでぃーらのレビュー・感想・評価

4.8
最高だった…。

まずアート作品としてえげつないクオリティ。
終始画面が楽しすぎるし美しすぎる。

でもそこを極めた映画は、エンタメ作品としてのわかりやすさが損なわれがちで、観客が置いていかれがち。
i.g.『マインド・ゲーム』(大好きだけど)

本作はむしろ、その表現手法が映画のストーリーと必然的に噛み合うことで、エンタメ性自体もグッと数段引き上げている。

マイルズを噛んだ蜘蛛のバース数は「42」。
Googleで「人生、宇宙、すべての答え」と検索すると、計算式とみなされて=42と表示される(由来は『銀河ヒッチハイクガイド』)。
全ての可能性をアクロスする、映画のテーマと符号していて気持ち良い。
※公式説明が別の理由であることだけが、本作への不満

グウェンは前作に引き続き魅力的すぎて、色々と啓かされる(戦犯説は一旦棚上げ)。
イチオシはスパイダー・パンク(ホービー)。「海賊版」はイケメンすぎる…!

胸熱ラストシーンは最高に胸熱。
観客がアガるツボを作り手がきちんと理解していて、最高に気持ち良い。

アメコミ原作、実写の映画シリーズ(しかも複数)というマルチバースとの相性が良すぎるコンテンツを選んで、かつ革新的なアニメーション表現に挑んだのがとにかく偉すぎる。前作同様に大傑作。