Ayakashd

エノーラ・ホームズの事件簿のAyakashdのレビュー・感想・評価

3.3
箱庭みたいに完成された世界観を縦横無尽に走り回るミリーボビーブラウンが可愛い(だけの)作品。
19世紀のイギリスはあんなに明るく素敵な雰囲気じゃなかった(ロンドンの空は真っ黒だったはず)だろうけど、古き良き大英帝国時代をファンタジーにして、シャーロック混ぜ込んで、英国好きをとりあえずくすぐっとけ映画。日本人に置き換えたら、みんな大好き明治維新モノのポップ版、女性維新の志士の物語、みたいなところだろうか。
シャーロックである必要は特になかった。知性とエネルギーにあふれる新しい女性像をちらつかせつつ、そんな彼女の冒険と恋。っていうオーソドックスな青春映画でした。赤毛のアンのシャーロック版?何がなんやらw

わたし、昨今のガールパワー映画は大好きですけども、これはやや、やーや、あざとく感じたかなー。女性参政権よりさらに前、普通選挙権の獲得運動時代であることを示し、エノーラのような女性がのびのび生きることが許されなかったことも強調されるが、手法が手垢じみているし、物語の本筋や人物像とそんなに深くリンクしないから、人気のアイテムとして取り込みました〜、みたいに見えた。普通に19世紀後半のイギリスを生きたオテンバ娘の冒険譚として描けばよかったんでは。

いや、可愛かったからオールオッケーですが。
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