ふじこ

アウトポストのふじこのネタバレレビュー・内容・結末

アウトポスト(2020年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

アフガニスタンに駐留する米軍の最前線基地。
補給経路の為の重要基地とされていたが、新たに配属された兵士たちが降り立つとそこはすり鉢の底のように、窪地の底辺にある基地だった。


いや素晴らしかった。降り立った瞬間の衝撃、余りにもくそすぎる立地…!嘘でしょ…?となってしまった。
四方で高所を取られ、ほぼほぼ丸裸の前線基地を守りぬかなくてはならない兵士の実話。
余りにも危険な場所のため、しょっちゅう襲撃に遭い、基地の責任者である士官も亡くなるために度々派遣されてくる。
その中のひとりから名付けられたキースティング前哨基地。
駐留する兵士をして
”本当に最悪だろ でも俺たちの職場だ”
と言わしめる。

前半はそれでも微笑ましいシーンとかもあって、度々の襲撃もなんとかやり過ごす事も出来るのだけれど地元の人達との対話や哨戒中に失われる命、そして終盤の苛烈な襲撃へと続く。
緊張と緩和のバランスが素晴らしかった。沢山出てくる登場人物もきちんと個性があって、誰も死なないでくれ…!となってしまう。

流れだけ観ていると、地元の人くそじゃん…!となっちゃうけれど彼等には彼等の文化があって、謂わば勝手に来たり去ったりするのは米軍の方で。この辺のバランスって難しいよな…とか思ってた。

最後の激戦を乗り越えて、50年ぶりに2人の生存軍人が同時に”Medal of Honor”を受章した、と表示され、劇中の兵士たちの戦績、勲章が映される。
このキースティング前哨基地はアフガニスタン屈指の激戦基地であり、この結果を受けて他多くの前哨基地が閉鎖された、と。

素人でも分かるレベルの酷い立地に基地を作った反省が、その後活かされたのかなぁ。
少なくとも傾斜の上に作るべきだったよね…。高さ is GOD.
敵対勢力から丸見えの基地で生きて帰る為に戦った兵士たち、”戦争映画”としても後半の総力戦は臨場感があってドキドキした。


2023 03 31 u
ふじこ

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