凪

もう終わりにしよう。の凪のネタバレレビュー・内容・結末

もう終わりにしよう。(2020年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

「生と死、若さと老い」

すごいの一言
これまでの人生でこんな映画は観たことがない
ただのホラーでも、ただのドラマでもない
信用できない語り手の元で繰り広げられるミスリーディングの謎、何一つ意味が分からなくて怖くて怖くて仕方なかった
一人で観なくてよかった
でもなぜか1秒足りとも目が離せなくて、この映画が終わらないで欲しいと思った

用務員のおじいさん(ジェイク?)が着ている制服が洗濯機から出てきた制服と同じって気づいた時にゾワっとしてなぜか泣きたくなって、その後彼女の話を聞きながら黙って頷くジェイクの切ない表情と二人のハグで泣いた

若かった親が老いていくのを見るのはつらい、でも自分も老いる時が来る
老いる親を見たくなくて家に入りたがらないジェイク、彼女に「帰ろう」と言われているのに帰ろうとしないジェイク、一見相反するように見えるけど、それが親の老いを目の当たりにする子供のリアルな姿にも思える

豚の滑稽な最期を明るく語ったジェイクは、哀れな自分の人生を豚と重ねて、誰にも看取られずに車内で亡くなった自分を自虐したのかな
そんな豚が裸になったジェイクを励ますラストは、彼がありのままの自分をやっと受け入れることができた、と捉えられる

監督がこの映画で描きたかったのは、過去の記憶や未来の予想は現在に存在している=過去現在未来は常に同じ空間の中にある、けれど確実に過去から未来へ時間は流れていく、ということ?

どれだけ若さが素晴らしくても時を止めない限り人生は進んでいく
時の流れが、映画の中で印象的な車が走るシーン
で表されている
オレオを作った女の子が言った「行かない方がいい」行きたくなくても行くしかない、人生は止まらないから

【9/20追記】
エンドロールの後のシーンでジェイクがエンジンかけたの人に言われるまで気付かなかった、、、
凪