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The Sorcerers(原題)
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『The Sorcerers(原題)』に投稿された感想・評価

3.9
優しそうなお婆様の大暴走!

超好き!若者の頭脳にアクセス→操る→犯罪をさせる…それをVRゲームの如く自分の部屋でウッキウキで楽しむお婆様の突き抜けた狂気を拝める婆怖い系ホラー。窃盗→傷害→殺人と、お婆様のスリルへの欲望は止まることを知らず…あのボリスカーロフもドン引きしてた😂

多分グラセフをVRにしたら感覚的にはこんな感じなんでしょうね。現実→現実にダイブしてるからVRではないんだけど笑笑

催眠術の専門家のボリスカーロフが、「どこにも行けない高齢者にも色んな体験をしてもらいたい!」と高尚な動機のもと、他人の思考にアクセスして操る…だけでなく感覚器官まで同期させる装置の開発に成功。操作されてるやつの痛みや快感とか全部自分のことのように感じられるので、水を触ったら冷たいし卵割ったら痛い…そして怪我したら自分も怪我をする。

さあ!実用化するぞ!と意気込むカーロフだったけど、奥様のエステルが「今まで私たちはインチキ扱いされてきたのよ!ちょっとくらい良い思いしたいわ」とカーロフを説得。街で見かけた高級マフラーをゲットするためにイケメンにアクセスし操作→夜中にお店に忍び込ませ、警官の目を掻い潜り窃盗成功!→このスリルが病みつきになり…という流れ。「お前は“本物のスピード”を体験したことはあるか?」とか言ってイケメンにバイクで暴走させるとことか笑った🤣

系統的には『カリガリ博士』の本案になるのかな。あちらのドイツ帝制や徴兵制とは程遠いながらも、どこかに行きたくても行けない高齢者と、どこへでも行けるのにどこに行けば良いか分からず彷徨っている若者の交差を象徴的に描きつつ、ドイツ帝制等に代わって対象とする構造を飛躍し過ぎたところに移行させてから茶化している。

理性が非理性を倒す展開についてもよりわかりやすく踏襲しており、それは善悪のペルソナ的に描かれる。本来倒すべきものが作中には出てこず、構造自体は誰の目にも止まらずに外形事象のみが消費されていく…という後の『バスケットケース』的な虚しさが良かった。自分は「ハンバーガー」である自覚とそれを裏返すという不可逆性も好き。
原題は「魔術師」の意味。伝承迷信ホラーの傑作「Witchfinder General」(1968)を遺し25歳で早逝したマイケル・リーブス監督の全三作中の二作目。時代を先取りしたSFホラーのカルト作。主演は最晩年のボリス・カーロフ(当時80歳)。

マーカス教授(ボリス・カーロフ)と妻エステル(キャサリン・レイシー)の老夫妻は、人知れず続けてきた医療催眠科学の新発明を遂に完成した。教授は実験台として好奇心の強い青年マイクに目を付け、未知の体験をさせると自宅に誘い催眠マシンにかける。その新発明とは、テレパシーで被験者をマインドコントロールすることができ、被験者が体験する感覚やスリルを同時に夫妻が体感できるというもの。効果は敵面で喜びの興奮に浸る夫妻だったが、やがて妻が暴走しはじめ、マイクにミンクのストールを盗ませたりバイクで爆走させるなど、利己的な欲望と快楽のために彼を利用し始める。。。

粗削りではあるのだが独自性の強いアイディアと展開で楽しめた。

「攻殻機動隊」(1989)で言うところの“電脳ハッキング”を、ガジェットなしの催眠術によって実現する新発明。夫妻が念ずることでマイクの意識は乗っ取られ、マイクの五感を夫妻は体感できるのだ。体感の様子は夫妻の顔芸で示され、下手をすれば陳腐になりそうなところだが、重鎮カーロフと妻役レイシーの老獪な演技により説得力を保っていた。

英国発の最先端カルチャーだった“スウィンギング・ロンドン”が、リアルタイムで描写されているのは貴重な見どころ。ライブハウスや女性たちのファッションがオシャレで、当時24歳だったリーブス監督の若い感性が反映されている。そもそも本作のベースとなる“精神のトリップ”という志向は、当時ビートルズやストーンズが実践表現していたLSDやヨガと通ずるもの。催眠マシン起動時にサイケデリックな演出がされているのは必然と言える。

カルチャー映画のくくりで本作に比肩するのは同年のアメリカ映画「白昼の幻想」(1967:ロジャー・コーマン監督)くらいだろうか。米映画「イージー・ライダー」(1969)英映画「パフォーマンス/青春の罠」(1970)よりもずっと早く本作が制作されていた事は記憶しておきたい。

年寄りが若者を洗脳し操るという構図は反体制的な風刺とも受け取れなくもないが、本作の老夫妻は社会的アウトローとして描かれ決して体制側ではない。純粋なSFホラーの秀作として楽しむのが正しい観方だろう。

「Witchfinder General」だけでなく前年に本作を手掛けたことがリーブス監督を伝説たらしめている。サブカル好きならばぜひお薦めしたい知られざる一本。

※デビュー直後のスーザン・ジョージ(「わらの犬」の妻役など)がチョイ役で出演している