風来坊

キリングフィールド 極限戦線の風来坊のレビュー・感想・評価

3.0
2008年、ジョージア(グルジア)とロシアの間で生じた軍事衝突。多勢のロシア兵に必死の抵抗をするグルジア兵と、巻き込まれた辺境の村の人々の姿を実話に基づき描いたジョージア製の戦争映画。

第35回ワルシャワ国際映画祭でグランプリと監督賞を受賞したという作品で至って真面目な戦争映画です。
なのでこれは完全に悪意のあるジャケット詐欺、あんな最新鋭のロケットランチャーみたいので戦うシーンなんてありません。
更に言うと30000人のロシア兵に対して22人のジョージア兵が派手に戦うというお話でもないです…。

これは兵士を中心に描くか村人を中心に描くかハッキリさせた方がよかった気がします。視点が散漫としていて物語がスッと入って来ません。
後半はグルジア兵を匿う村人たちを描いているが、淡々としていて静かな感じで描いているのであまり緊張感を感じない…。スゴく丁寧には描いてはいるんですが…。

ワルシャワ国際映画祭で絶賛の嵐を巻き起こしたというが、戦争映画としてそれほど心に来る物はなく正直どこが評価されたんだろうと疑問。
ジョージアの映画が日本では珍しい事もあって、この軍事衝突はロシア側の視点の作品が多く、ジョージア側の視点の作品が多くの目に触れるのは意義のある事だと思います。

きっと本国の方やロシアの国力に脅かされている国々の方が観ると感じるものが違うのだろうなと推測。
個人的には静か過ぎてうーん…という感じでしたが、戦争の虚しさとロシアの非道さは印象に残りました。

まとめの一言
「戦争の一番の被害者はいつも、そこに暮らしている人たち」
風来坊

風来坊