奇跡のようなドラマ『あまちゃん』(能年玲奈と橋本愛が親友役)と同じキャストで、『勝手にふるえてろ』綿矢りさ&大九監督の作品とあらば、やはり観に行かない訳にはいきません。原作は未読です。
オープニングからやたらと食事のシーンが多く、しょっぱなから天ぷらは食べたくなりました😋
ストーリーは物事をなかなか決められない主人公みつ子が、脳内のもう一人の自分Aと会話しながら日々を過ごすというものです。そして、みつ子が勤める会社の取引先の営業マン多田君に好意を持ち始めたことから物語が展開していきます。
しかし、残念ながらみつ子という人物の背景があまり描かれない為、キャラクターとしての厚みが感じられません。なぜこのようにもう一人の自分と会話するようになったのかよくわからないし。
家庭環境や学生時代の描写もありません。しかも男の上司や歯科医師からのセクハラは台詞だけの説明で、イマイチ説得力に欠けます。
親友がいて、仲の良い女性上司がいる会社でそれなりにうまくやって、好きな人もいる。主人公が抱える葛藤が見えづらい為、感情移入が難しいです。飛行機が苦手なことは分かりやすかったけど😊
それとAと呼ばれるもう一人の自分が途中から変わるのも何だかなあ。脳内だから何でもアリと言えばそれまでだけど。
とは言えやはり主人公を演じる能年玲奈の存在感は圧倒的で、彼女の一挙手一投足に釘付けになります。できれば橋本愛ももう少し絡んで欲しかったけど。
能年玲奈が主役の作品が東京国際映画祭で観客賞を獲ったことはとてもうれしくて、これからのますますの活躍に期待です。