眼鏡の錬金術師

私をくいとめての眼鏡の錬金術師のネタバレレビュー・内容・結末

私をくいとめて(2020年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

こういうやや電波な女を演じるならのんは適役だね。うぶなのんちゃんが終始かわいかった。

脳内に「A」と呼ばれる仮想人物を作り出し、普段「A」との対話をしながらお一人様生活を謳歌しているミツコ。
作中では1人焼肉や一人海外旅行なんかもしちゃう。それでいて多田くんという年下の男に恋もする。
しかし、ミツコは30にもなってんのになかなかに不器用な女で、孤独が嫌で多田くんと近づきたいけど、近づきすぎるとその距離感に苦しんでしまう。
最終的には「A」とお別れして、成長するというもの。

「100万円と苦虫女」とかもだけど、こういうこじらせた主人公の成長ものは好きだね。
ただちょっと長いかな。ローマの友達とのエピソードいる?その辺削って多田くんとの関係をもうちょい盛っても良かったと思うけどね。

ちなみに自分はお一人様行動がほとんどできない極度のさびしんぼうなので一人海外旅行なんて狂気の沙汰やなとしか思えない。ラーメン屋も一人では行きづらい。
てか一人でどこかへ行くことの何が楽しいのだろうか。ちゃんと納得できる答えがあったら教えてほしい。一人より二人以上でどっか行くほうが何倍も楽しいやん。
人間も含め、この世の何もかもは他者に観測されてはじめてその存在が確かなものになるでしょ?例えばアメリカ大陸だって見つかってなかったときは無かったのと同じだったわけで、観測されてあったことが分かったわけで。
人間もそれと同じで、誰かに見つけられることで自分の存在感が強まるものだと思ってる。
であるなら、一人旅なんてものは誰にも観測されないわけだから行ったかどうかも証明できない、旅先でより孤独感を感じることになるんじゃないかと思う。

旅行が楽しいんじゃない。旅行先での体験を誰かと共有することが楽しいんだって思う。