くろまめ

私をくいとめてのくろまめのレビュー・感想・評価

私をくいとめて(2020年製作の映画)
4.5
試写会合わせて4回見ました。
コメディなのかと思わせるティザーには、いい意味で裏切られる映画です。

のんさんの演技がとにかく素晴らしい。あんなに個人の内面の葛藤や蠢く熱い想いを表現できる女優さんはなかなかいないのではないでしょうか?私にとっては、ホットロードぶりの映画でしたが、こちらでのんさんの実力を知ることができて、よかったです。やはり他キャストって大事ですね。笑

というのもこの映画、どの役を切り取っても最高の配役です。みつ子の先輩のぞみさん役の臼田さんも、個性の強いイケメンのカーターも、上司の片桐はいりさんも、それぞれの味をうまく出してる。原作読んでから見ましたが、みなさんハマり役すぎて、唸りました。
そして、みつ子のお相手役の林遣都さん。
多田くんは、女に縁遠そうな、うだつの上がらないサラリーマンなんですが、このなんともキャラのない等身大の青年を、大げさでもなく、イケメンでもなく、ごく自然に演じてるのが凄いです。

「何も変わらないよ、隣に僕がいるだけ」
恋に踏み出せないみつ子に、こんなこと言える多田くんがとっても素敵で、よかったね、みつ子と心から思えるシーンで、ここで毎回泣きました。

ただ、闇落ちしたみつ子の、温泉のくだりからイタリア旅行がとても長くて、どちらかにしてもよかったんじゃないかなーと個人的には思いました。1時間ほどずっと重いシーンが続くので「多田くん早くみつ子を救いに出てきてー」と心で叫んでました。
最後のエンドロールで、みつこと多田くんが歌う「君は天然色」のはとても二人らしくて、完璧なハッピーエンドだったと思います。
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