イスケ

僕と頭の中の落書きたちのイスケのネタバレレビュー・内容・結末

僕と頭の中の落書きたち(2020年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

主演のふたりが魅力的だったなぁ。まずはそこ!
作品の主題を考える以上に、ふたりの恋の成就を願いながら恋愛モノ目線で鑑賞していました。

決して深みのある描き方ではなく、表現としてはストレートなんですが、重くならないんですよね。その点も好感をもちました。


統合失調症を扱った作品ではあるものの、

「ありのままの自分を受け入れよ、まずはそこからだ!」

という誰もに共通しうる普遍的なテーマが込められていたように思います。

アダムとマヤもお互い惹かれていながら、
「関係が深くなれば必ず話さなくてはならないこと」を自らは言わずにいました。

でも自らありのままを見せていかないことには本当の意味での理解はいつまで経ってもなされないのですよね。

一番辛いのは本人。もちろんそう。
でもまずは自らそこを打破していかないと、他者は愛を注ごうに注げない。アダムはその点を非常にこじらせてました。(それでも負けずに愛を注いでいたポールには感動したよ…)


本作では「告解」が非常に大きな役割を果たしていましたよね。

僕は信仰心ゼロなんですが、告解の意義に関しては今までより考え方が進歩したかもしれない。
つい最近「愛のむきだし」での渡部篤郎を観た後なので、なおさらアンディ・ガルシア神父に説得力を感じましたw


「ガン患者のことは大勢の人が助けてくれる。でも統合失調症の患者には誰も関わってくれない。」

というドストレートな訴えについては、「そうだよなぁ」と思わずにいられなかったな。

募金をする時に同じようなことをよく考えるんですよ。ニュースで取り上げられるような困難の影に隠れた数多の困難もあるのに、どうして自分は順位付けしてしまってるんだろうと。

ましてや、統合失調症って厄介者みたいな扱いをされやすいわけで、距離をおきたがる人が圧倒的に多いと思うんですよ。

本作を観て、ちょっと考えてしまいましたね…
イスケ

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