いざわ

僕と頭の中の落書きたちのいざわのレビュー・感想・評価

僕と頭の中の落書きたち(2020年製作の映画)
4.0
●あらすじ

精神疾患を抱える少年が周囲の人々に支えられながら人生に希望を見いだしていく姿を描いた青春ドラマ。高校生のアダムは実験の授業中、幻覚が現れたことで事故を起こしてしまう。病院で統合失調症と診断された彼は、母に勧められ様々な治療を受けるが、どれも上手くいかない。病を秘密にしたまま高校に通うアダムは、普通の人生を送ることを諦めるようになっていく。そんなある日、アダムは同じ学校のマヤと知り合い、互いにひかれ合う。「荒野にて」のチャーリー・プラマーが主演を務め、「エスケープ・ルーム」のテイラー・ラッセル、「オーシャンズ」シリーズのアンディ・ガルシアが共演。「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 魔の海」のトール・フロイデンタールが監督を務め、人気デュオ「ザ・チェインスモーカーズ」が音楽を手がけた。
(映画.comより引用)


ぼろぼろ泣いてしまった。
発症してからもずっと、アダムは利発で優しいチャーミングな男の子。だけど調子の悪いときにはここにはない頭の中だけの住人たちの姿が見えて、正体不明の声に悪罵される。それを信じたくないけれど、理想の自分を目指しているけど、振り回されてしまうこともある。
疾患を誰にも知られたくないアダムの気持ちも、息子を救いたい母の気持ちも、アダムが好きなマヤの気持ちも、義父のポールの気持ちもみんな痛いほどわかります。

キャラクターがものすごく良い。アダムもマヤも、母も義父も神父さんもアダムの頭の中の住人たちもみんな魅力的で彼らの今後をどんどん知りたくなる。頭の中の人達はそれぞれちょっと役割があって、ラストとかすごく良かったです。

地味に構成も良いよね。テーマや服薬、疾患に触れる以上精神科医が出てこないのはおかしいけどアダムを教え導く教師的な立場としては神父さんがいて役割が被ってしまう。だから観客が精神科医になって、アダムが語りかける形にして、ある程度話に区切りがつくようになっている。

「自分の弱さや歪みを人に見せるところから愛が始まる」、「病気と闘っているけれど、病気そのものではない」等名言もたくさん。
でもなんでキリスト教系の学校にしたんだろ?
いざわ

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