ベルベー

僕と頭の中の落書きたちのベルベーのネタバレレビュー・内容・結末

僕と頭の中の落書きたち(2020年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

Netflixの配信終わっちゃうのか…日本だとここでしか観れないっぽいから惜しいな。統合失調症を抱えて生きていくしかない少年の辛さと救いが胸を打つ。

しかし、「ビューティフル・マインド」にせよ「ファーザー」にせよ本作にせよこういう作品を観ていると毎回頭によぎってしまうのは、「病気の人の頭の中を映像化する」行為の是非について。結局我々はその映像トリックを娯楽として消費しているのではないかと。それって病を抱えた当事者に失礼ではないのか…と。深く考えすぎることはないのかもしれないけど、ちょっと考えてしまう。物語自体は真摯で感動的だったとしてもだ。

病を抱えているけど、病そのものじゃない。このマインドは全人類が持たなくてはならないものだと思う。癌患者には皆優しくするのに、統合失調症だと皆避けて、それどころか虐めに繋がる。怒りを覚えるけど、じゃあ自分が当事者になった時、どんな行動を取れるのか。正解は分からないけど、考え続けることが大事なんだと思う。この物語の主人公や、主人公の家族のように。

それにしてもウォルトン・ゴギンズに泣かされたね。義理の父親が実はめちゃくちゃ良い人だったって、ストーリー的には読めるはずなのに。小悪党イメージが強すぎるからなウォルトン・ゴギンズ。それを逆手に取ったキャスティングじゃないか。ベタなのに泣かされたよ。アンディ・ガルシアは髭もじゃで誰か全然分からなかった。
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