ピッコロ

ノマドランドのピッコロのレビュー・感想・評価

ノマドランド(2020年製作の映画)
4.0
また、会える日まで・・・。

先日観た"ミナリ"は、"ある人物達に捧ぐ"作品だった。
今作も同じく、"ある人物達に捧ぐ"作品。
捧ぐ人物はどちらも違うし、感じ方もそれぞれ異なる映画だけど、今作は、少し寂しい気持ちと、どこか穏やかな気持ち。
不思議な余韻が心地良い・・・。

ただ、今の自分には、この映画の魅力の半分ぐらいしか理解出来てないと思うので、もう少し年を取ってから観返してみたい気持ちもある。
それまで長い旅路が続くと思うけど、また会う日まで・・・。
もしかしたら人生は、終わりのない旅の連続なのかもしれない?

ノマド(放浪)の人達は、本人さんが演じてるみたいで・・・。
エンドロールの役名と、役者の名前が同じなのが面白い。
みなさん演技は素人なのに、演技がお上手で・・・。
なので、ドキュメンタリーっぽい感じに思える作品でもあった。

途中、映画館が映るシーンがあって。
その映画館で上映されてたのが、"アベンジャーズ"。
クロエ・ジャオ監督は、次作が"エターナルズ”というアメコミ映画(MCU)なので、ファンサービスで入れたのかな?って二ヤッとしたけど、どうやら違う意図があったみたいで・・・。
どんどん現実世界から離れていく主人公との対比で入れたらしい。

自分達とは、無関係な世界に思えるけど。
実は、そうじゃなくて。
毎日、不安な時代だからこそ、自分達も、将来同じように"ノマド"になるかもしれない。
でも、あの生活は、寂しいところもあるけど、なんだかみなさんお元気で生きてるし、逞しく生活してる。

少しだけ楽しそうだな?って思えたけど、現実は厳しい。
Amazonも繁忙期だけ働かせたりと、働き口があるように見えるけど、それ以外は用は無いって感じで・・・。
アメリカの闇を描いてる映画だけど、それを全面に出してこないので不思議な心地良さがあったりした。

また会える日まで・・・。
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