トイレもなく、野ションのシーンからはじまるこの映画。
もう若くはない主人公の女性。季節季節で色んな仕事をしながらヴァンで暮らす姿が、スクリーンに淡々と映し出される。
自分も“ハウスレス”になってしまったら、こんな生活を余儀なくされる将来が待っているのかもしれない…と身につまされる思いで観ていました。
アメリカの広大で風光明媚な景観も、どこか突き放したようにスクリーンに映し出される。まるで「これを見てあなたはどう思う?」と問いかけられているかのように。
一緒に暮らす家族はいないけど、“サヨナラ”もない。
脚が伸ばせないヴァンのベッド。
幸せって、他者が決めるもんじゃないもんな。
どこまでもフラットな目線で描かれるファーンの日常を観ながら、本人は今どんな心境なんだろう?と考えた。
エンドロールで、出てくるノマド達は皆ご本人さんだと知ってビビりました。