骨折り損

ノマドランドの骨折り損のレビュー・感想・評価

ノマドランド(2020年製作の映画)
4.0
しばらく籠の中にいた鳥は、籠が開いても外に飛んで行こうとしない。

ただなんとなく、ただ当たり前に、自分の行動範囲を決めつけていた。自分の人生の広さを決めつけていた。この映画を見て、その事実に気付かされた。

僕らは本来、どこまででも行ける。

どこで何をしていようが自由だ。

何にも縛り付けられていない。

風を感じたい時に、気が済むまで走れる自由がある。

なのに、それをしない。

できないといつからか思っていた。

それが何故か、わからないから怖い。
誰に言われた訳でもない自分の立ち入り禁止区域に、勇気を持って一歩足を踏み入れれてみても、意外と何も変わらないだろう。

これまでの生活圏とさほど変わらない事に驚いて、それでまた安心して遠くへ歩いていく。

遠くへ行ってもそんなに今と変わらないかもしれない。でも、これまでと同じ生活を続けるとしても、遠くへ行けるという事を知った上で、同じ生活をするのは、これまでと同じじゃないんだ。
骨折り損

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