しばらく籠の中にいた鳥は、籠が開いても外に飛んで行こうとしない。
ただなんとなく、ただ当たり前に、自分の行動範囲を決めつけていた。自分の人生の広さを決めつけていた。この映画を見て、その事実に気付かされた。
僕らは本来、どこまででも行ける。
どこで何をしていようが自由だ。
何にも縛り付けられていない。
風を感じたい時に、気が済むまで走れる自由がある。
なのに、それをしない。
できないといつからか思っていた。
それが何故か、わからないから怖い。
誰に言われた訳でもない自分の立ち入り禁止区域に、勇気を持って一歩足を踏み入れれてみても、意外と何も変わらないだろう。
これまでの生活圏とさほど変わらない事に驚いて、それでまた安心して遠くへ歩いていく。
遠くへ行ってもそんなに今と変わらないかもしれない。でも、これまでと同じ生活を続けるとしても、遠くへ行けるという事を知った上で、同じ生活をするのは、これまでと同じじゃないんだ。