オザキ

ノマドランドのオザキのレビュー・感想・評価

ノマドランド(2020年製作の映画)
3.7
人生の旅の果て、どこへ流れ着く?

<あらすじを一言で>
あらゆる事情から家や故郷を離れ、”現代のノマド(遊牧民)”としてキャンピングカー生活を送る人々の旅と交流を描く。

まず思ったことは、若者層向けに作られた映画じゃないなという点です。もちろん、若い人が見て心が震えたり涙を流す感動があるかも知れませんが、人生経験がより豊富であるほど映画から受け取れるメッセージが多いんだろうと推察します。観る人によっては印象もかなり異なりそう…。


若輩者ながらレビューさせて頂くと、この作品では人生があたかも一つの旅路であるかの様に描かれています。それも、旅の終盤です。今までの人生紆余曲折あって旅に出た人々が、出会いと別れを繰り返す中で最後に何を見つけるのか。映画を観る人もノマド達と一緒になって旅の答えを探しに行きます。だからこそ、旅路に”起承転結”といった作品らしい組み立ては存在しないのでしょう。まさに淡々とした日々が映し出されるのみといった、リアリティをひしひし感じる映画です。

ただ、ストーリーラインは淡々としながらも、景色と音楽は常に美しく全くもって退屈することはありません。画面から漂う全てがエモいというやつです。


もう少し歳を取ってから観たい作品でしたが、「自分にとって後悔しない生き方を選択する勇気、そして難しさ」を痛感したのが個人的に1番の収穫です。いつかまた観たいねぇ✨
オザキ

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