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ノマドランドのsatoのレビュー・感想・評価

ノマドランド(2020年製作の映画)
3.7
ずっと、寂しさと悲しみが
画面に溢れているような映画だった。
それは多分、喪失感なのだろう。
主人公のファーンだけじゃなくて、彼女が旅する先々で出会った人たちが抱える喪失感。

でもそれだけじゃなくて、時々とても美しいシーンが入ってくるのが印象的だった。
美しい空。飛び立つ鳥たち。焚き火を囲む人々の笑い声。
今なら死んでもいいと思えるような、美しさと喜びに満ちた瞬間。

ファーンは1人だけど、あえて1人を選んでいる。
最初は意志の強さを感じたけれど、
失ったものを思って、後悔や迷いが心の中にあるまま、気持ちの整理がつかないまま、1人で走り続けているのかなと思った。

そして、
旅の中で出会った人やものたちを通して、喪失感を受け入れて、また立ち向かおうとする。

人は脆いけど強い。
美しい瞬間を見逃さず大切に
強く、しなやかに生きていきたいと思わされた。
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