このレビューはネタバレを含みます
「苦しみなどどうでもいいの。
私の生きる道はこれしかなかった」
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インドで迷子になった5歳のサルーは、遠くオーストラリアへ里子に出される。そこで何不自由なく育った彼が、自分の故郷を探すという実話を元にした作品。
インドやオーストラリアのドラマティックな風景や、実話とは思えないストーリーも見どころだけど、人々の関係性が丁寧に描かれているなと感じた。いちばん心に響いたのは、サルーの里親である母が、なぜインドから孤児を引き取ったのか告白するシーン。
人には、理屈ではなく、雷に打たれたように導かれることがある。直感とか、運命とか目に見えないものを、現代を生きる私たちはなかなか信じられないけれど、遠い昔から私たちはきっと、そういう力に導かれている。そしてそれは、自分とは関係のない力ではなくて、自分とどこかで繋がっている大きな力なんじゃないかな。
小さなサルーがとにかく可愛い!